内分泌内科
内分泌疾患には色々ありますが、いずれも
日本内分泌学会専門医・指導医である院長が診療いたします。
甲状腺の病気
下垂体の病気
下垂体は、とても小さな臓器ですが、甲状腺や副腎などのホルモン分泌を調節するホルモンを分泌したりや、尿量に関わるホルモンを分泌するなどとても重要な役割を果たしています。下垂体からのホルモン分泌が増加する病気には、成長ホルモンが過剰に分泌され手足などの先端が肥大する「先端巨大症」、乳汁分泌作用のあるホルモンが過剰になる「プロラクチノーマ」、副腎皮質刺激ホルモンが過剰に分泌され、副腎皮質ホルモンが過剰になる「クッシング症候群」などがあります。逆にホルモン分泌が低下する病気には、下垂体から分泌されるホルモンが少なくなる「下垂体機能低下症」、抗利尿ホルモンが欠乏してしまう「中枢性尿崩症」などがあります。複数の臓器に影響を及ぼしてしまい、体調がすぐれない状態が続いてしまうこともあります。
また成長ホルモンが足りない場合は小児だと低身長になりますが、成人だと「成人成長ホルモン分泌不全症」と言って、全身倦怠感、内臓脂肪増加、動脈硬化の危険因子になります。当クリニックでは「成人成長ホルモン分泌不全症」の診断がついた患者様の成長ホルモン療法が可能です。
なお、下垂体疾患が疑われ場合は(高槻病院など)検査入院できる医療機関に紹介します。診断がつき、ホルモン補充療法などで治療可能な場合は当クリニックでの継続加療が可能です。
副甲状腺の病気
副甲状腺は甲状腺の裏側に4つある米粒大の臓器です。
副甲状腺というと、甲状腺と関係している臓器だと誤解されている方もいるかもしれませんが、分泌されるホルモンは別のはたらきをしています。具体的には、血液中のカルシウム濃度を調節するための重要な働きを担っています。
副甲状腺機能亢進症
副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、カルシウムが上昇する病気です。通常はカルシウムの上昇は軽度であり、無症状のことが多いですが、骨粗しょう症や尿路結石、胃潰瘍などのリスクも高まりますので、早めに医療機関を受診することが大切です。
なお、この病気は「原発性副甲状腺機能亢進症」と「続発性副甲状腺機能亢進症」に大別されます。前者の場合は、副甲状腺腺腫や副甲状腺過形成など、副甲状腺そのものの病気によって引き起こされます。後者の続発性副甲状腺機能亢進症の場合は、慢性腎不全やビタミンD欠乏症など、副甲状腺以外の病気が原因で発症します。原発性の場合は、腫大した副甲状腺を摘除する手術を選択することも多いのですが、患者様によっては骨吸収を抑制するための薬物療法で対応することもあります。続発性の場合は、原疾患の治療を行ったり、血液中に含まれるリンなどを調節する薬物療法を行ったりします。手術の場合は適切な医療機関に紹介させていただきます。
副甲状腺機能低下症
副甲状腺機能低下症は、副甲状腺ホルモンが不足したり、同ホルモンの作用が低下してしまう病気です。このなかには、「特発性副甲状腺機能低下症」、「続発性副甲状腺機能低下症」、「偽性副甲状腺機能低下症」があります。
特発性副甲状腺機能低下症は、主に自己免疫によって副甲状腺が破壊されてしまい、副甲状腺ホルモンの分泌が不足します。続発性副甲状腺機能低下症は、甲状腺摘出手術の際に副甲状腺も併せて摘出されることにより、同ホルモンの分泌不足が起こります。偽性副甲状腺機能低下症は、副甲状腺ホルモン自体は正常に分泌されているのですが、このホルモンに対して標的組織が抵抗性を示してしまうため、結果的に副甲状腺機能が低下したときと同じ状態に陥ります。治療に関していうと、基本的には症状を改善するために薬物療法を行います。
副腎の病気
副腎は、腎臓の上にある三角形の小さな内分泌器官です。この副腎皮質や副腎髄質から色々なホルモンが分泌されるため、副腎の腫瘍からホルモンが過剰に分泌されたり、機能が低下したりすると、体の様々な部位に症状が出現します。
原発性アルドステロン症
原発性アルドステロン症は、副腎皮質から分泌されるアルドステロンというホルモンが過剰になってしまう病気です。このホルモンが増えすぎてしまうと、結果的に血圧が上昇してしまい、血圧の薬が効きにくいほどの難治性高血圧になります。言い換えますと、健康診断などで高血圧を指摘された場合は、原発性アルドステロン症の可能性も少なからずあるわけです。そのため、当クリニックでは、高血圧の患者様に対して、血液検査などで詳しい原因を調べることもあります。
原発性アルドステロン症の主な原因は、副腎に発生した腫瘍からのホルモンの過剰分泌です。アルドステロンというホルモンの過剰分泌が疑われた場合は、入院での精密検査が必要ですので(高槻病院などの)医療機関に紹介させていただきます。原発性アルドステロン症が確定すれば、副腎静脈サンプリングと言って、カテーテルで副腎のアルドステロンの値を調べる検査をします。
その結果、2つある副腎のうち、どちらかのみが過剰分泌を起こしているときは、病気を引き起こしている側の副腎を摘出します。手術をすることができないケースでは、薬物療法によって血圧を下げていきますが、具体的に使用するお薬は、アルドステロンの産生を抑制する効果がある専門の降圧薬となります。
クッシング症候群
クッシング症候群は、コルチゾールというホルモンが過剰に分泌されてしまう病気です。このホルモンの作用が強まるので、体重が増えすぎたり、顔が満月のように丸くなったり、筋力が低下したり、血糖値が高くなったりします。患者様によっては、抑うつや不眠などの精神症状がみられることもあります。副腎の腫瘍が原因の場合は、手術によって副腎を摘出します。(高槻病院などの)他の医療機関に紹介させていただきます。